調光器(電圧レギュレーター)で掃除機を静音化してみた

コロナ禍で家にいる時間が長くなり部屋が汚れやすくなった気がする。
昔ながらのコード式掃除機は爆音なので夜間の使用は控えていたが
夜間でも掃除できるように掃除機を静音化したくなった。

 

壁コンセントの電圧を下げる調光器(電圧レギュレーター)を探してみた。
壁コンセントに接続するのでメーカー不明の怪しい物は避けたかった。
200W以下だと何種類かあったが掃除機に使えるものは見当たらなかった。
掃除機に使えそうな電力のものは電子部品として売られていた。
基板むきだしだったり、アルミケースに入っていたり。

基板むきだしの物は数百円からあった。


そのままだと感電する。
基板をよく見たらヒステリシス軽減用の部品が見当たらなかった。
安くても使いにくいのは、後で作り直したくなるので却下。

 

アマゾンで約1500円で売っているものは基板にヒステリシス軽減用の部品らしきものが見える。


金属のケースに入っているので基板むきだしよりは安全。
アマゾンにあるということは Aliexpressにもあるのではないかと思ったら案の定あった。
急ぐ必要は無いので Aliexpressで送料込み450円のものを注文。
12日という異例の速さで届いた。届いた物は見た目がおんぼろのこれぞ中国製。

ケースの板金は保護ビニール貼りっぱなし。板金はペナペナで歪みまくり。

端子台はケースを外さないと配線できない残念仕様。

 

チェックをせずにコンセントに接続する度胸は無いので分解して中身をチェック。
はんだ付けは はんだ槽を使ったようで割とまともだった。
放熱器は曲がっている。穴位置が合っていないので片方は固定していない。トライアックで固定したつもりかも。

 

分解したついでに回路図にしてみた。


秋月電子のキットと比較するとスナバの抵抗値が4.7kΩになっている。秋月電子のキットは100Ω。
ヒステリシス軽減回路は存在していた。
AC220V4000Wの調光器となっているが18Aに耐える基板のパターンに見えない。
パターンに はんだを盛って頑張っているがどう見ても足りない。
無理して10Aがいいところのような気がする。

先人達のネタを見るとAC100Vで使うとボリウムの可変範囲が狭いらしい。
ヒューズは付いているが20Aは大きすぎる。日本の壁コンセントは最大15Aだったような。
スナバ回路が頼りない等、いろいろ気になるので改造した。
ボリウムに180kΩを並列に追加。ヒューズは10Aに変更。端子台の出力側にバリスタを追加。
改造後の回路図


改造した基板の裏面(黒いのがバリスタ、ボリウムの下についているのが180kΩ)


電球で動作確認。
ボリウムが左一杯で0Vになった。
ボリウムを右に回すと1/3ぐらいまで0Vのまま。その後、急に25Vになる。

あとは右に回した分だけスムーズに電圧が上がった。
右一杯から左に回していくとスムーズに電圧が下がり、左一杯に近づくと0Vになった。
25Vから急に0Vになるかと思ったがそんなことは無く、電圧が下がる動作はスムーズだった。
ヒステリシス軽減回路がこんなものなのか、最適化すればもっとスムーズに可変できるのかは不明。
気が向いたら調べてみよう。

端子台むきだしは使いにくいので先人達の真似をして100均で延長コードを購入し取り付けた。


本来の目的である掃除機は良い感じで静音化でき目標達成。

たのしいおもちゃでした。

 

この内容は電子工作で危険が伴います。試行は自己責任です。私は責任を負いません。